活動報告

近江商人に学ぶ

平成28年度なるほど講座 〜近江商人と文化〜 「近江商人が美術史に果たした役割」についての講座と仏教美術鑑賞が 無事終了致しました。

11月3日(祝・木)に開催しましたなるほど講座は20人の参加者となり、無事終了致しました。天気にも恵まれ、講座場所の滋賀県立美術館は文化の日でアートイベントも繰り広げられていて、会場は活気に溢れ、大変楽しい一日を過ごすことができました。前半は滋賀県立美術館学芸員(日本絵画史)國賀由美子氏から、「近江商人が美術史に果たしたある役割」と題して、日野商人「嶋崎家」と画人「髙田啓輔」とのかかわりを通して、全国を行き来した近江商人が、商売のみならず豊穣な文化の営みをもたらしたことについて解説して頂き、その後、滋賀県立美術館の企画展「つながる美・引き継ぐ心」と題した、琵琶湖文化館の仏教美術展示会を鑑賞しました。髙田敬輔の山水図や、その弟子である日野商人の嶋崎雲圃の没骨法(輪郭線を用いず水墨や彩色で物を形づくる方法)で描かれた鮎図も鑑賞することができ、文化に貢献した近江商人という、まさに文化の日にちなんだ講座となりました。

▲滋賀県立美術館の文化ゾーン内にある茶室「夕照庵」で講座が開かれた。

▲紅葉で色付き始めた日本庭園を眺めながらの講座。

▲プロジェクターで美術史を説明する滋賀県立美術館
学芸員の國賀由美子氏。

▲茶室「夕照庵」での講座の後はお茶を頂きながら質疑応答となった。

▲(國賀由美子氏講座より)
雲圃は没骨の画法を人物画に応用した業績で知られる。
雲圃は、近江日野の商人島崎利兵衛(元禄16年茂木町に酒造業を興す)
の3代目で、絵を近江日野の高田敬輔に学ぶ。雲圃は文化2年(1805)
75才で没したが、日野には友人の儒者立原翠軒の撰による碑が建てら
れている。

<参考>
栃木県立美術館の企画展 [小泉斐と高田敬輔]の小泉斐と高田敬輔の江戸絵画にみる画人たちのネットワークとして書かれています。http://www.art.pref.tochigi.lg.jp/exhibition/t050220/

PAGE TOP